前回の記事はコチラ。
ホームレス小谷さんの紹介でお会いしたTさん。
そのTさんが、大阪・高槻で開催予定の
「にしのあきひろ絵本原画展」のスタッフをされるとのことで、
主催者さんに繋いでいただき、僕も開催期間中のスタッフをさせていただくことになりました。

ところが主催者さんは、
当初「Tさん以外のスタッフは起用しないつもりだった」とのこと。
この時点で、すでに奇跡が起きていたんです。
「奇跡は起こるものじゃない、起こすもの」
誰かがそう言っていたなぁ…なんて思いながら。
設営は、企画者のSさんとTさん、そして僕の3人だけ。
前日の夜から当日の朝までかかり、なんとか会場を整えました。



どう考えても素人3人でやる仕事じゃない(笑)
でも、今振り返れば、それも“いい思い出”のひとつです。
開場の時間を迎え、数時間後に
徹夜の寝不足なんか吹き飛ぶほどの出来事が待っていました。
ついに念願だった“あの”西野さんと対面できたのです。

『グッド・コマーシャル』に感動し、
西野さんご本人に会えるようになるまで、わずか4ヶ月。
これを奇跡と呼ばずして、なんと呼ぶのでしょう。
運すらも味方につけた、まさに、無双状態でした。
全3日間のイベントのうち、初日を終えた夜。
打ち上げの食事会が開かれ、ありがたいことに西野さんの正面に座らせていただきました。
失礼ながら…正直、西野さん以外との会話は記憶に残っていません(笑)
それほどまでに、目の前の時間と体験に無我夢中でした。
僕「はじめまして!今日はありがとうございました!」
西野さん「おつかれさまでした!ありがとうございました!」
僕「いきなりなんですが…西野さんにお会いできたら絶対伝えたいことがあって…」
西野さん「えー!なになに!?聞く聞く!!」
僕「僕、中学生の頃はキングコングがめっちゃ好きだったんですけど…
半年前まで…西野さんのこと…
めっちゃ嫌いでした!!!」
西野さん「うわー!!!おるねん!!!こういう奴ーー!!(爆笑)」

会場は一気に笑いに包まれました。
僕「でも、夏に『グッド・コマーシャル』を読んで、めちゃくちゃ好きになりました。ラストの“○○は○で買いな!”で涙が止まらなくて…」
西野さん「ありがとう〜!君、名前は?」
僕「ゆうやです!」
西野さん「ゆうやはさ、これからどうしたいとかあるん?」
僕は、離婚と仕事を失ったこと、娘とも会えなくなったこと、
何事にも自信をなくしていることを正直に話しました。
西野さんは、静かに笑いながらこう言いました。
西野さん「俺には“何年後”とか、“どこで”とか、“誰と”とか、確実なことは言えへんけど…
そう遠くない将来、ゲラゲラ笑ってるゆうやが見えるんよな〜。ホームレス小谷みたいに。」
僕「いや…ホームレスはちょっと…(笑)」
西野さん「ちゃうちゃう(笑)。小谷みたいに逆境でも笑ってるってこと!なんか、そんな気がするねん。俺の予想はけっこう当たるから、大丈夫やで。やりたいと思ったこと全力でやってみたらいい。」
【大丈夫】
この言葉が、今も僕のおまじないです。
何をしても結果が出ず、努力の仕方さえ分からなかったあの頃。
離婚とクビを経験し、友達にも突き放され、娘にも会えなくなって…
心に浮かんだ“最悪の選択”。
そんなとき、西野さんの【大丈夫】は、心の底から温かく、強い支えになりました。
「そう遠くない将来、ゲラゲラ笑ってるのが見える」
この嘘みたいな予言が“本当”になるのは、もう少し先のお話。
でも、この日を境に、僕の歯車は少しずつ噛み合い始めました。
西野さんに出会えた奇跡。
それは僕にとっての——
『革命のファンファーレ』
だったのかもしれません。
続きは、次回。
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